ビールの缶、台所の給湯器からはシャワーのようにしか水が出ないので、中身を洗うために注いだ水の大部分は飲み口に入っていかずにこぼれてしまう、シンクにバタバタと落ちていく事や、その音よりも、シャワーの水の流れが少量ずつではあっても飲み口に注がれていくこと、注がれた量よりも多く右手にかかっている水、とはいえ持っていると缶がだんだんと重くなっていくこと、半分は入っただろうか、左手で給湯器のボタンを押す「どうやって水出すの?「その、丸いボタンを押すと出るよ、もう一度押すと止まるので、押して止めた左手で缶の口を軽く抑えて上下に振る。

 

イメージするのは、缶の内側がビールで濡れている、飲んでいる間はビールの匂いって気にならないけど、イメージするのは空き缶を集めたゴミ袋「缶はどれに捨てる?「じゃあ、このゴミ袋を缶のやつにしよう、翌日に入れ忘れた缶が机の足のところに一つあったので中を洗ってから捨てるためにもう一度開けた袋から発する臭い、こうなるからさ、イメージするのは缶の内側がビールで濡れたままの、見たことはないんだけど、洗っておくのは内側をビールではなく水で濡らしておくために缶を上下に振る。内側の上の部分はちゃんと取れてるのかな、と思って上下に振る。不安な人は飲み口から水が溢れるまで注いでいれば満たされる、置換される、ビールから、空気から、水。

 

ビールの缶を洗う、の次は、何を。

なんでも良いんだけど何が良いだろう、なんでも思い出すことができるし、嘘もつける私は「私はなんでも思い出すことができる「私はこれから思いだすことのできる思い出はめちゃくちゃ良い思い出になるんじゃないか、いま隣には黄色のシャツをきて黒い帽子を被っている人がいて、その人もパソコンを打っている。手が止まりがち集中切れかかってるのを見てるってことは集中切れかかってる、目が合えば「なんかお菓子ない?「ええと、ガムしかない、ガムがあるよ。ガム噛むと目がシャキ!