居ながらにして名所を知る歌人たろうと、昨日とはうってかわって涼しくなった今日の窓の外に見える隣家の窓も網戸にしている普段は磨りガラスには黄色の背の高いボトルのシルエット、おそらくは調味料なので窓の中は台所で、網戸の時にはそれが日清キャノーラ油だということが分かったこともあったが、油をひく量がついつい多くなるのはテフロンが剥げかけてきているフライパンで作る野菜炒めとかであればまだましだけど、そこから卵とじなどを作ろうとすれば、しばらくつけ置いておかないと後でやっかいだから「フライパンひやしといてね」と言ってもピンときていない様子で「ひやす?」とこちらを振り向くときに眉毛が上がって狭くなったおでこが「可愛いじゃないか、あれ、違う。ひやすって通じないか、水につけといて。」「ふうん、わかった。」眉毛下がって広くなったおでこは流しの方に顔を戻し、シンクの底においたフライパンに蛇口を捻って水を張る間、目は、調味料棚の端に置いてある花瓶に生けたスプレー咲きしているデルフィニウムの枝の分岐をなぞっている。

 

お腹が空きすぎて駅前の松屋に小走りで向かった帰りにはお腹いっぱいすぎて気持ち悪くなってゆっくり歩いた、その間には、あれこれ迷った末に期間限定メニューの和風タルタルチキン定食の、ご飯特盛、サラダにはポテトサラダ追加、味噌汁は豚汁に変更、券売機は合計1190円、1000円札1枚をヴィーン、100円玉1枚をシャリン50円玉をシャリン、10円玉の数を財布の中で数えてみたら、まだお腹空いてる、3枚しかないので、1000円札をもう1枚ヴィーン、発券ボタンを押すと960円のお釣りが返ってきた。

 

夕方からはザッと雨が降って、一番上の姉ちゃんに子どもが生まれたので国立の病院まで見に行った、抱かせてもらった生まれたてのつむじに鼻をくっつけたら髪の毛がうっすらと生えている、ねえ、コイツはまだ松屋の和風タルタルチキン食べたことないんかな、すげえ美味かったよ、でも若干タルタルが濃いめの味付けだから終盤キツイかもなぁ。あと期間限定メニューだから、コイツが一人で松屋行けるようになる頃にはキャンペーン終わってるかもだわ